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アーカイブ・シリーズ 第6回
杉本博司「護王神社」"Appropriate Proportion"

1980年代から活動するベネッセアートサイト直島の記録をブログで紹介する「アーカイブ・シリーズ」。第6回は、家プロジェクト「護王神社」"Appropriate Proportion"(2002年)について、制作プロセスの一部を紹介します。

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施工中、大石が設置される前の護王神社。本殿と石室をガラスの階段が結んでいる(撮影:杉本博司)

「護王神社」は家プロジェクトの一つとして、2002年に公開されました。直島・本村地区の氏神が祀られている同神社の改築にあわせて、本殿と拝殿、また拝殿の地下の石室がアーティスト・杉本博司によって設計されています。本殿と石室はガラスの階段で結ばれており、地下と地上とが一つの世界を形成しています。本殿と拝殿は伊勢神宮など古代の神社建築の様式を念頭に、作家自身の美意識に基づくものになっています。

杉本氏は、古代の日本人が巨木や滝、巨石などを聖なる場として崇め、神が人間によって掃き清められた場に降臨するとの考えを参照し、護王神社においても大石を配置することを考えました。大石は瀬戸内の採石場の一つ、岡山県の万成山で見つかりましたが、重さ24トンの石を、小山の頂きに位置する神社境内に設置する工程は困難を極めました。大石の運搬に使う山道には保護のために鉄板が敷かれ、石を載せた重機は神社までの細い道をバックで移動しました。無事に神社境内に着いた後は、石をクレーンで吊り上げ、作家らの指示に従い、微細な調整のもと設置されました。

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護王神社は杉本氏が手掛けた作品としての側面も持ちます。杉本氏は、神が宿るのは「かなりそぎ落とされた隙の無い空間でなくてはならない」と考え、タイトルを「Appropriate Proportion(適切な形態という意味)」としています。護王神社は白木、石、ガラスという簡素な素材から成り、周辺のデザインとともにミニマルな効果を生んでいます。護王神社を再建するプロセスは、文字通り、神が住むための「適切な形態」を持った場所をつくる試みだったといえるでしょう。

※直島通信2003年1月号より

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再建後の護王神社(左右ともに撮影:杉本博司)

参考:HIROSHI SUGIMOTO
https://www.sugimotohiroshi.com/appropreate-proportionj

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アーカイブ・シリーズ 第10回<br>安藤忠雄氏の設計による<br>「ベネッセハウス ミュージアム」

2020.10.22

アーカイブ・シリーズ 第10回
安藤忠雄氏の設計による
「ベネッセハウス ミュージアム」

ベネッセハウス ミュージアムは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館しました。瀬戸内海を望む高台に建ち、大きな開口部から島の自然を内部へと導き入れる構造の建物は、安藤忠雄氏の設計によるものです。記事を読む

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2020.10.21

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親子鑑賞プログラム レポート

豊島美術館では、開館前の美術館を貸し切り、小さなお子さまと一緒にご家族でゆっくりと鑑賞していただく「0歳~6歳のための親子鑑賞プログラム」を2020年10月の毎週土曜日に実施しています。今回のブログでは、プログラム初回の10月3日(土)の様子と、参加されたご家族の感想をお届けいたします。記事を読む

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「犬島精錬所美術館」は銅の製錬所の遺構を保存・再生してつくられた美術館です。「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと、自然エネルギーを利用した環境に負荷を与えない三分一博志氏の建築と、日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典氏の作品、植物の力を利用した水質浄化システムが導入されています。記事を読む

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2020.10.09

アーカイブ・シリーズ 第8回
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お客様からの感想をご紹介します(2020年8月)

2020.10.05

お客様からの感想をご紹介します(2020年8月)

今年8月にベネッセアートサイト直島の各アート施設を訪れたお客様や鑑賞ツアーに参加されたお客様、ベネッセハウスに宿泊されたお客様からアンケートでいただいたご感想の一部を紹介します。記事を読む

アーカイブ・シリーズ 第7回<br>ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」

2020.10.02

アーカイブ・シリーズ 第7回
ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」

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