作品の一般公開を前に、豊島島民内覧会を開催しました。
3月20日の瀬戸内国際芸術祭2016春会期開幕にあわせて、豊島には、豊島八百万ラボ(豊島・甲生地区)、針工場(豊島・家浦地区)が開館します。3月16日、一般公開に先がけて、豊島島民内覧会を開催しました。
アーティスト・スプツニ子!が構想する、先端科学とアートのコラボレーションによって、新たな神話を生み出そうとする施設「豊島八百万ラボ」。内覧会の前には竣工式が行われ、小豆島・土庄八幡神社の森宮司により祝詞が奏上されました。
午後1時半から行われた内覧会。お昼を過ぎたころから続々と島の方々が集まり始めます。
内覧会には、スプツニ子!さん、建築を手がけた成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨さん、猪熊純さんも出席。冒頭ではそれぞれが、「豊島八百万ラボ」完成にあたっての気持ちなどを含めてお話しいただきました。


スプツニ子!さんは、作品の構想から完成まで約2年近く、沢山の応援とご協力をいただいた豊島の方たちを前に、まずは御礼の言葉を述べられました。「豊島にも、日本人だけじゃなくて、海外からも色んな方が来られます。世界中に色んな縁が広がることを願って作っています」と、この場所から様々な縁が生まれていくことに期待を寄せました。猪熊さんは、「古い古民家を改修しているものの、アート施設なので、設計施工の段階から、なるべく豊島にある僕らが美しいと思ったものを散りばめた建物にできたら――と思いました」と挨拶。鳥居や絵馬掛けの桟からも檀山に抜ける景色を味わえるつくりにしていること、そして建物の部材には特殊なものを用いず、豊島で頻繁に用いられているものを選んだことを説明。
挨拶のあと、集まってくださった島民の皆さんと映像作品を鑑賞。映像にご出演いただいた3名の島民の方々も一緒に鑑賞くださいました。
作品鑑賞後、島民の方々も絵馬に願い事を記入。
豊島八百万ラボができる甲生地区で民泊を営まれている植松さん。「豊島が(甲生が)世界の人々に愛されます様に」を願いを込められました。
同時刻に、家浦地区でも、大竹伸朗作品「針工場」の島民内覧会を実施。この作品の核となった船型は、昨年末に豊島島民の方々の手によって、旧メリヤス針製造工場跡であるこの場所に運び込まれたものです。
船型の運搬に関わってくださった方々も多数内覧にお越しくださいました。
中には、工場が稼働していた当時の様子をお話しくださる方も。
「何に見える?」そう聞くと、子供たちは素直に感想をノートに書いていき、それにつられるように、感想を書き留めてくださる方もいらっしゃいました。
豊島に間もなく開館する、豊島八百万ラボ、そして針工場。
島の方々への披露を無事に終え、いよいよ3月20日から一般公開となります。
撮影協力:宮脇慎太郎
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