犬島「家プロジェクト」C邸 新作の
島内お披露目会が行われました
2019年7月18日(木)、犬島「家プロジェクト」C邸の新作の島内お披露目会が開催され、完成したばかりの作品「無題(C邸の花)」について、アーティスト・半田真規氏が犬島島民に向けて紹介しました。島民の方々は、「どういう花をイメージしたか?」「作品は一本の木から作っているのか?」など半田氏にさまざまな質問をしながら、新しい作品を熱心に鑑賞されている様子でした。半田氏は、木彫の作品を犬島で制作したことについて、以下のように説明しています。
「犬島にあたかも元から存在していたかのような作品を作りたいと考えた。木彫というのは人工的な素材とは違い、生きている素材だ。ここに作品を置いて完成ではなく、木彫が犬島の空気を呼吸したり、割れが入ったりしながら、まわりの環境に馴染んでいく過程そのものが作品にとって大切だと思っている」
また、お披露目会では、作品の展示スペース正面の庭でアーティストと島民の手による植栽式が行われました。この植栽式は、作品を成立させる上で欠かせない作業であると半田氏は語っています。
「初めて犬島に来た時、島のいろいろな場所で育てられている畑や草花に深い感銘を受けた。C邸だけでなく、周りの植栽、その向こうにある犬島の景色や人々を繋ぐことができる、ダイナミックな作品にしたい。今日みなさんにしていただいた植栽の作業は、作品の完成であり、これからのスタートにもなる機会だと考えている」
「無題(C邸の花)」は、瀬戸内国際芸術祭2019 夏会期が開幕した2019年7月19日(金)より一般公開しています。作品はもちろん、島民の手が加えられたC邸の庭の植栽もぜひご鑑賞ください。
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