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直島ホールが、Wallpaper* Design Awards 2017にてBest new public building部門最高賞を受賞

建築家・三分一博志の設計により、2015年11月に直島・本村地区に竣工した、直島ホール(直島町民会館 / 所有:直島町)。この度、雑誌・Wallpaper*が主催するDesign Awards 2017のBest new public building部門にて最高賞を受賞されました。国内の公共建築では初の受賞となります。
http://www.wallpaper.com/design-awards/2017#184987
http://www.wallpaper.com/design/artist-designer-ramdane-touhami-wallpaper-design-awards-judges-profile#185293

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直島ホール 所有者:直島町 設計:三分一博志建築設計事務所 / 撮影:小川重雄

直島ホールは、ホール、集会所、庭園から成る、直島町の多目的施設です。「環境の島」と呼ばれるにふさわしく、自然の風の力を使用してホール内の空気を循環させています。

三分一氏はこれまで、犬島精錬所美術館の建築にも見られるように、土地の環境特性を読み取り、それを活かした建築の設計を続けてきました。今回の直島でのプロジェクトにおいても、約2年半に渡って直島・本村地区に通い、事前リサーチを行っています。集落全体の地形や、そこに吹く風の流れ、ため池からかつての棚田、水路、入掘、井戸に流れる水脈等を徹底して調査する中で、中世から脈々と受け継がれている、自然に寄り添った本村のまちなみと暮らしの在り方が見えてきたといいます。

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空から見た本村集落の様子(中央に見える建物が直島ホール)/ 写真:Sambuichi Architects

直島の本村地域は南から北に向かって扇状地形をしており、集落は碁盤目状に区画されています。調査の中で見えてきたのは、各民家が南北の続き間や縁側をそなえ、南から吹く風に沿ったつくりになっていたこと。そして、扇の中心に棚田やため池があったことから、夏場は水面の涼しい空気が南風にのって集落に運ばれ、家の座敷を抜けて北の庭へと流れ、さらに隣家へとリレーされていっているということでした。

集落のつくりそのものから垣間見える先人達のメッセージを紐解き、実験を重ねながら、建築がどのような形態を持てば、その場所の自然のエネルギーを活かし、かつ人工的なエネルギーを使わない建物とすることができるかという点について深く検討されています。直島ホールの屋根は入母屋造りになっており、本村を流れる風はその屋根を通して建築内部の空気循環に活かされ、直島に風が吹いている限りはホール内の空気が巡る仕組みです。また、集会所棟においては、利用価値の薄らいでいる井戸水の温度に着目し、夏場は屋根に散水して建物のクーリングができるよう計画されており、かつてこの集落の生活を支えた井戸水の価値を再認識させる試みとしても期待されています。竣工から1年あまりが経過し、直島町民のスポーツ・レクリエーションや、直島の伝統文化として受け継がれている「直島女文楽」等の活動拠点にもなり、地域に親しまれる場所となり始めました。三分一氏は、2015年8月に同じ直島・本村地区において、やはり本村の風の道を意識した個人住宅「直島の家 - またべえ」の改修・増築の設計を行っており、現存集落が備えてきた古の知恵や地域特性を生かしたこれらの建築の在り方を総称し、「The Naoshima Plan」として提言しています。

直島では、1970年代から現在に至るまで、石井和紘、安藤忠雄、SANAA、三分一博志、藤本壮介、といった国内外で活躍してきた建築家の作品が、島の風景と調和しながら存在しています(詳しくはNAOSHIMA NOTE 2016年4月号にてご覧ください)。昨年の瀬戸内国際芸術祭会期中には、「直島建築 + The Naoshima Plan」と題し、これまでの直島建築の成り立ちを企画展にて紹介。8月に直島ホールで行われた直島建築シンポジウムでは、ゲストスピーカーに批評家の浅田彰氏、建築史家の五十嵐太郎氏を迎え、これまでの戦後建築史の中での相対的な位置づけを振り返りながら、より大きな視点で現在の直島建築を見つめなおすセッションが行われました。

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昨年8月の直島建築シンポジウムの様子(右上:浅田彰氏、左下:五十嵐太郎氏、右下:三分一博志氏)

島の価値を再認識することで、島の人々が自ら考え、利用し、新たな価値を生み出していく場所として、直島・本村地区に新たに誕生した直島ホール。それは、直島町の町民会館でありながら、「在るものを活かし、無いものを創る」という考え方のもと、アートや建築を通して自然と人間の関係を問い直してきた、ベネッセアートサイト直島のメッセージに呼応する存在であるといえます。

なお、直島ホールは、2017年4月14日に発表された2017年日本建築学会賞にて、作品賞をあわせて受賞しています。(2017年4月25日追記)

※直島ホールは、直島町の町民会館であるため、内部は一般公開されていません。外観は一般の方にもご覧いただけます。直島ホールについての詳細は、直島町の公式ウェブサイトにてご覧ください。

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