豊島の南西、海辺に位置する甲生地区につくられた「豊島
アーティスト・スプツニ子!が構想した、先端科学とアートとのコラボレーションにより、新たな神話をうみだそうとする施設です。都市から離れた、豊かな自然に恵まれた場での体験は、科学の進歩と共に歩む私たちの未来に、新たな視点を提示していく機会となっていくでしょう。
(キュレーション:長谷川祐子)
アーティストが着想を得た古事記に登場する豊玉姫は、「豊島」の名前の由来とも言われ、愛する山幸彦との間に授かった子を本来の鮫の姿に戻って産んだと記されています。映像作品に登場する蚕は、農業生物資源研究所の協力によって、人が恋におちる成分とも言われているオキシトシンと、赤く光る珊瑚の遺伝子を導入して実際に誕生したハイブリッド。近年の生命工学の発展により、神話のように人や動物種の境界概念は曖昧になってきています。ガリレオの地動説やダーウィンの進化論など、時に神話に疑問を投げかけてきた科学が、近い将来には神話を創造し具現化していくのかもしれません。
協力:国立研究開発法人 農業生物資源研究所(2016年4月~ 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
スプツニ子!
1985年東京生まれ。インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科および情報工学科卒業後、英国王立芸術学院デザイン・インタラクションズ専攻修士課程修了。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教。テクノロジーによって変化していく人間や社会を反映させた作品を制作。主な展覧会に「Talk to Me」(ニューヨーク近代美術館、2011)、「東京アートミーティング うさぎスマッシュ」(東京都現代美術館、2013)など。
築60年以上経つ古民家の外観を残しながら、内部の木軸を数本の鉄骨梁で浮かせることで生まれた、広々とした無柱空間。そこは、ラボの名の通り、研究室のような設えとなり、変化に応じて多様な展開を促します。施設へのアプローチは鳥居が並び、豊島の中央にそびえる檀山に向かって開かれた場所には絵馬掛けを配置。敷地内は様々な価値やコンテクストが混ざり合い、集落の中で周囲と変わらぬ佇まいを保ちながらも、微かな違和感を放ちます。それはスプツニ子!作品の多義性と共鳴し、訪れた人に多くを問いかけていくことでしょう。
成瀬友梨:1979年愛知県生まれ。2010年より東京大学助教
猪熊純:1977年神奈川県生まれ。2008年より首都大学東京助教。
2007年成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。地域・ライフスタイル・コミュニケーションという観点から建築を考え、シェアをキーワードに設計を行う。代表作に「FabCafe Tokyo」(東京、2012)、「LT城西」(愛知、2013)、「柏の葉オープンイノベーションラボ(KOIL)」(千葉、2014)など。
豊島八百万ラボでは、10名以上の団体でご来館の皆様にスムーズにご鑑賞いただくために、事前予約をお願いしております。
(1)バリアフリーについて
施設の特性上、バリアフリー対応になっていない場所がございます。あらかじめご了承ください。
お越しいただく際は可能な限りの入館サポートをいたしますので、施設へ直接ご相談ください。
(2)車椅子等の貸出について
・車いす:貸し出しはございません。
・筆談具:あります。
・多目的トイレ:ございません。
・介助犬・盲導犬・聴導犬を同伴してご入館いただくことができます。
・団体鑑賞割引および障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)をお持ちの方への減免はございません。
・ご利用可能なクレジットカードは、AMEX、Diners、JCB、Master、NICOS、VISAです。
お客様の安全確保およびアート作品、建築作品の保護の観点から、ベネッセアートサイト直島の敷地内における事前許可のない無人飛行機(ドローン)の使用は固く禁止させていただきます。
〒761-4663 香川県小豆郡土庄町豊島甲生908
Tel : 0879-68-3555(豊島美術館)
Fax : 0879-68-2182
ウェブからのお問い合わせはこちら