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李禹煥美術館プログラム「トークツアー」
―対話を重ねながらつくる体験の場―

韓国人アーティスト・李禹煥の作品、建築家・安藤忠雄の建築、そして瀬戸内の自然が響きあう場である李禹煥美術館は、直島の南側、倉浦浜からなだらかに続く丘の先の、小さな谷間にある美術館です。ここは4月になると、ヤマツツジで周囲の山が一面ピンク色に彩られます。その時期が終わると、次は美術館の庭に植えられているモリシマアカシアがいっせいに淡いクリーム色の花をつけ、辺り一面が甘い香りと柔らかい色に包まれます。

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春先の李禹煥美術館外観

李禹煥美術館は、来館される方がこの場所と出会い、作品との対話を重ねることで、体験が広がる開かれた場であることを目指しています。そしてその出会いをきっかけとし、自分や自分以外の周囲のものごとを見つめなおし、静かに思索する時間を提供しています。美術館と鑑賞者が出会い、対話をする――。そう聞いて、皆さんはどのようなことを想像されるでしょうか。

近年の李禹煥作品は、「対話」がひとつのテーマになっています。作家が作品を制作する上での「素材や道具、そして自分自身との対話」、作品の中に使用されている「素材同士の対話」、「作品と、それが置かれている空間との対話」。様々なものとの間に生まれる対話が想像できます。李禹煥はそれらを「内と外との対話」または「自分と、自分以外のものとの対話」という言葉で説明しており、さらに「それらの出会いによって、その場は開かれる」とも述べています。「自分と、自分以外のものとの対話」とは。そして、その対話から生まれるものは、どのようなものなのでしょうか。

当館では毎週土曜日と日曜日、「トークツアー」というプログラムを実施しています。このプログラムではスタッフによる一方的な作品解説ではなく、参加者が作品に出会う際に生じた疑問や興味に向き合いながら、鑑賞を広げていきます。更には他の参加者の意見に触れ、他者と鑑賞を共有することで広がる、体験の場を目指して開催しています。

「疑問をもつ」「興味をもつ」ということ――。それには必ず理由が存在します。自分は何を見ていたのか。どうしてそう思ったのか。鑑賞していく中で生まれる「?(はてな)」や感覚も然り。実はその疑問や興味は、その人のバックラウンドにもつながっています。

作品との出会いの中で生まれた感覚を頼りに、作品との対話を重ねていくと、実は気づいていなかった自分自身の思考に出会えたり、また他者との対話を重ねることで、自分の知らない新しい世界に出会ったりもできてしまう。今目の前にあるもの、目の前に広がっている世界は、隣の人には全く違うように映っているのかもしれないと考えてみると、自分以外の他者を知ることで、もしかしたら周囲との関わり方は変わってくるのかもしれません。

「これはどういう意味ですか」「作家は何を表現しているのですか」と、作品とゆっくりと向き合う前に質問をいただくことも少なくありません。作った人のことや作品についての情報を得たいと思うことは自然なこと。知識を深めることは一つの鑑賞体験と言えるでしょう。

作品と向き合う前に、人はなぜそのような疑問を持つのでしょうか。作品への興味からくる疑問ではないのかもしれません。「目の前にある作品は、目の前の作品の中"だけ"で完結している。だから作家の気持ちを読み取り、知識を得て、目の前の作品を理解しなければ」と。しかし今見ている作品の前には、それを見ている自分が必ず共に存在している――。もしもこのことに気づいたとしたら、それだけで体験はより一層深化するのかもしれません。自分の存在に気づくことが、他者との出会いや対話に繋がる第一歩だと捉えることもできるでしょう。

「わぁー!」という感嘆の声。
息をのむ体の微弱な動き。
視線が強くなる瞬間。
作品から作品へと足を進めていく鑑賞のリズム。
「見る」という動作から、「思考」へと次第に移っていく感覚。
これらはすべて、鑑賞者と作品の出会い、そして対話の始まりの光景にも見えます。

トークツアーでは、もしかしたら一人では見落としてしまったかもしれないこのような数々の出会いを一つ一つ拾い上げ、スタッフと参加者が共に対話を重ねながら向き合うことで、その場にいる皆で作り上げる唯一の体験の機会を生み出しています。

李禹煥アーティストトークからみえてくるもの<br>―

2017.03.03

李禹煥アーティストトークからみえてくるもの
―"分からなさ"を受け入れるということ―

2010年に直島の倉浦に開館した李禹煥美術館。李氏自身の言葉を通して改めて美術館での体験を掘り下げるべく、今年1月、直島にてアーティストトークを開催しました。記事を読む

マイケル・ガヴァン氏(LACMA CEO、ウォリス・アーネンバーグ・ディレクター)による講演会を開催しました。

2017.02.15

マイケル・ガヴァン氏(LACMA CEO、ウォリス・アーネンバーグ・ディレクター)による講演会を開催しました。

ベネッセアートサイト直島で作品を公開している作家、ウォルター・デ・マリアやジェームズ・タレルらの活動に詳しいマイケル・ガヴァン氏を迎え、昨秋、直島にて講演会を開催しました。記事を読む

直島ホールが、Wallpaper* Design Awards 2017にてBest new public building部門最高賞を受賞

2017.02.10

直島ホールが、Wallpaper* Design Awards 2017にてBest new public building部門最高賞を受賞

建築家・三分一博志の設計により、2015年11月に直島・本村地区に竣工した直島ホールが、雑誌・Wallpaper*主催のDesign Awards 2017、Best new public building部門にて最高賞を受賞されました。記事を読む

モネ モーニング・トーク<br>―朝陽で見つめる『睡蓮』と画家の愛したスイーツ―

2016.12.22

モネ モーニング・トーク
―朝陽で見つめる『睡蓮』と画家の愛したスイーツ―

地中美術館に作品を展示している作家の一人、クロード・モネは、ガーデニングに興味を持ち、畑で野菜を育てたり様々な料理に関心を寄せるなど、食に対しての意識も高かったと言われています。印象派を中心にアートを食という切り口から紹介されているキュレーターの林綾野氏をお迎えし、年明け2017年2月12日(日)に、地中美術館のクロード・モネ室にて実際に鑑賞しながらモネの生涯や制作活動についてのお話を伺うアートと食の鑑賞ツアーを開催します。記事を読む

広報誌「NAOSHIMA NOTE」2017年1月号を発行しました。

2016.12.20

広報誌「NAOSHIMA NOTE」2017年1月号を発行しました。

広報誌「NAOSHIMA NOTE」2017年1月号の特集は、2016年10月8日に豊島・硯地区に開館した「豊島シーウォールハウス」で展示されているアンリ・サラ作品について取り上げます。記事を読む

犬島「家プロジェクト」I邸 「Self-loop」<br>オラファー・エリアソン インタビュー

2016.12.14

犬島「家プロジェクト」I邸 「Self-loop」
オラファー・エリアソン インタビュー

瀬戸内国際芸術祭2016秋会期を機に、2016年9月から犬島「家プロジェクト」I邸にて公開されている、オラファー・エリアソンよる「Self-loop」。 作品の設置に合わせて犬島を訪れたオラファー・エリアソンに、犬島を訪れる鑑賞者への思い、自身の作品を通して触れた犬島についてお話を伺いました。記事を読む

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