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大竹伸朗作品制作プロセス(第1部 - 作品について)

大竹伸朗作品制作プロセス(第1部 - 作品について)

瀬戸内国際芸術祭2016に向け、現在、アーティスト・大竹伸朗による新作の制作が進んでいます。場所は、豊島の家浦岡集落にあるメリヤス針の製造工場跡。そこに設置するのは、FRP製の船をつくるために製作された、全長17mを超す木製の船型です。およそ30年前に鯛網漁船をつくるために製作されましたが、一度も船を"生む"ことなく、愛媛県宇和島市の造船所に取り残されていたものです。

一方、この船型を迎え入れるのは、昭和39年から25年ほど稼動したあと平成を迎える手前で閉じられ、その後役割を与えられることなく豊島にただ存在していた旧針工場。別々の記憶を背負った2つの存在が、アーティストを通して重ね合わせられ、新たな作品空間として豊島に立ち現われようとしています。

打ち捨てられる寸前だった船型と旧針工場という二つの存在を合体させることで、物自体の関係性を表しながら、背景にある時代や場所、人を想起させ、そこに新たな磁場を生み出していく――。
本来ならば船を生み出すもととなる役目を全うして壊されるはずの船型は、つくられたそのままの状態で造船所に残っていました。その船型を切断することなく、一隻丸ごと台船に載せ、宇和島から瀬戸内海を渡って豊島へと運びます。このことは、プロジェクトにとって、一制作工程以上の意味を持つでしょう。

瀬戸内国際芸術祭は、2010年の第1回から一貫して、「海の復権」をテーマに掲げています。
人、物、そして文化を繋いできた海。しかし、近代化の裏側で、土地に根差して暮らしてきた人々にとっての里海は様変わりしました。海の生業を背負ってきた船型の、宇和島から豊島に向けての航海は、海の豊かさの中に逞しく生きてきた人々の誇りを思い、「海の復権」への願いを込めた航海でもあります。

今回のブログでは、この船型が宇和島の造船所を出て豊島に向かうまでの過程を、3部作でお伝えします。(第2部へ続く)

ストーリー一覧

豊島八百万ラボ スプツニ子!アーティストトーク――作品が豊島に残したもの

2020.03.11

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豊島八百万ラボでの最初の作品「運命の赤い糸をつむぐ蚕‐たまきの恋」は2016年3月の公開から約4年間に渡り展示されてきましたが、2020年2月11日(火)をもって公開を終了しました。同日、豊島の甲生集会所にて、スプツニ子!さんと作品のキュレーションを務めた長谷川祐子さんを迎えたトークイベントが行われました。今回の記事では、当日のイベントの模様をお伝えします。記事を読む

豊島八百万ラボが結んだ縁――「島の時間」が生んだ島民と来訪者のエピソード

2020.02.07

豊島八百万ラボが結んだ縁――「島の時間」が生んだ島民と来訪者のエピソード

ベネッセアートサイト直島のWebサイトでは、2019年10月から11月の間、豊島八百万ラボを訪れて体験した「縁」に関するエピソードを募集しました。恋愛に限らず豊島での人との出会いなどさまざまなエピソードが国内外のみなさまから寄せられた中、特に印象深い内容だったのが、ニックネームtaaさんから投稿いただいたエピソードです。記事を読む

「ウォールドローイング・アット・ベネッセハウス #404」――作品の与えた影響と穏やかな制作の記憶

2020.02.04

「ウォールドローイング・アット・ベネッセハウス #404」――作品の与えた影響と穏やかな制作の記憶

ベネッセハウスの客室には美術作品が展示されており、宿泊者は非常に間近で、自分のペースで作品と向き合うことができます。またいくつかの客室には、アーティストがその部屋のために現地で制作した作品があります。記事を読む

福田アジア食堂を運営する地元・小豆島町福田地区のみなさんにお話をうかがいました

2019.12.30

福田アジア食堂を運営する地元・小豆島町福田地区のみなさんにお話をうかがいました

瀬戸内国際芸術祭の会期限定で営業する福田アジア食堂を運営しているのは、小豆島町・福田地区のおかあさんたちを中心としたメンバーです。今回の記事では、厨房スタッフの方と、食材の調達を担当する松本実さんに、地元の福田アジア食堂の運営に携わる思いを語っていただきました。記事を読む

小学生対象の「カイコのまゆ 草木ぞめワークショップ」を豊島八百万ラボで行いました

2019.12.06

小学生対象の「カイコのまゆ 草木ぞめワークショップ」を豊島八百万ラボで行いました

豊島八百万ラボでは、瀬戸内国際芸術祭2019の夏会期の間、毎週土曜日に小学生を対象とした夏休み限定のプログラム「カイコのまゆ 草木ぞめワークショップ」を開催しました。今回の記事では、8月24日(土)に行われたワークショップの様子をお伝えいたします。記事を読む

須田悦弘 ベネッセハウス展示作品「バラ」公開メンテナンスの記録

2019.11.07

須田悦弘 ベネッセハウス展示作品「バラ」公開メンテナンスの記録

ベネッセハウス パークの開館に合わせて展示された「バラ」(2006)のメンテナンスのために、作家・須田悦弘さんが直島にご来島されました。作家本人によるメンテナンスの他、その前日にはベネッセアートサイト直島スタッフを対象としたトークイベントなど、須田さんが来訪した2日間をご紹介します。記事を読む

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