犬島くらしのサロン「犬島でプチサバイバル」レポート

春の雨が降るか降らないかと気をもたせた4月14~15日に開催された「犬島でプチサバイバル」。2日間の様子をご報告します。今回は、雑草作家のかわしまようこさんを講師に迎え、普段は雑草と呼ばれる道端の草花について、食べられるものやその栄養についてなど、さまざまなことを教えていただき、実際に食す体験イベントとなりました。

●1日目(4月14日)
犬島港にて、福岡、徳島、島根、岡山、大阪、石川、東京、新潟から集まってきた9名の参加者のみなさんをかわしまようこさんがお出迎えします。参加者のみなさんの手には、篭。早速、島の雑草探しが始まりました。

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かわしまさんいわく、犬島は雑草の宝庫で、多くの種類の雑草が伸び伸びと成長しているそう。道の両脇にたくさん生えているので、なかなか前に進みません。

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かわしまさんから、花の名前、草の力を教えていただきながら摘むと、みなさんだんだん愛おしくなってくるようです。雑草なのに野菜に見えたり、園芸種の花と変わらず美しい花にみえてきたり、雑草の見方が変わります。

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通常この時期は桜が満開。今年は散ってしまいましたが、桜の根の上に寝転がると心身がやさしく包まれるようです。

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ふつうに歩くと島一周で約1時間のところ、3時間かかって最終目的地の「犬島 くらしの植物園」に到着しました。
篭の中にはさまざまな種類の雑草が入っています。

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休む間もなく、料理人 新納平太さんと一緒に夕食の準備です。みなさんが摘んできた雑草の味など特徴を考えながら参加者のみなさんとともに料理開始。

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夕食メニューのメインは雑草ピザです。お豆腐ペーストに摘んできたあおさと雑草をトッピングして、石窯に入れます。雑草とは思えない、目にも鮮やかなピザが完成しました。

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17種の雑草サラダも美味しいと評判でした。

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おなかも気持ちも満たされたところで、雑草MAPつくり。どこにどんな雑草があったか思い出しながら、自分だけのMAPを作成します。

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●2日目(4月15日)
朝食は、植物園にいる名古屋コーチンの卵と目の前の海からとったわかめなどを使って作ります。朝から、清らかな空気が流れます。

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今日からの参加者と合流します。

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昨日からの参加者は、かわしまさんから"指令"を受けて、雑草摘みツアーに出発です。

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自分たちで作った雑草MAPを見ながら、どんどん摘んでいきます。今日からの参加者は、かわしまさんと一緒に雑草摘みをしながら、いろいろとお話を聞きました。

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お昼は、雑草手巻き寿司と雑草天ぷらを作りました。さわやかな風が流れる植物園にてみんなで作ります。

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そして、お待ちかねのランチタイムです。

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雑草の天ぷら

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驚きだったつくしのふきの葉包み燻製焼き

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たんぽぽの甘酢

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犬島の雑草は深く濃い味がするそう。花崗岩でできている島だからでしょうか?

犬島 くらしの植物園があった場所にはかつて社宅があり、20世帯の家族が住んでいました。しかし、その会社が撤退し、社宅に人はいなくなり、荒れ果てた場所になっていました。

数十年の月日を経て、「犬島 くらしの植物園」となり、多くの人がさまざまな場所から集まり、ともにここでしかできない豊かなくらしの体験をする場所になりました。

どこからともなく顔を出し、はびこる雑草はときに嫌われる存在かもしれません。しかし、きちんと向き合うと、特徴があり、味わいがあり、かわいらしく美しく、名前があることに気づきます。

さまざまな地域から、瀬戸内の小さな島、犬島に集まり、ともに過ごした参加者のみなさん。みなさんの土地で雑草を見るたびに、犬島でのことを思い出してくれたら、なによりうれしいです。

このような機会を与えてくださった、かわしまようこさん、新納平太さん、参加者のみなさん、そして、犬島。ありがとうございました。

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